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名前:『ナニワ金融道場』管理運営委員会
(21/12/13-18:02)
人間は、ゼニを稼ぐために毎日働いて生きている。莫大な額のゼニを親から受け継いだ人間がいる。莫大な額のゼニを一代で稼ぎ出す人間がいる。逆になんらかの理由によって、莫大な借金をかかえこんでしまう人間がいる。
人間は、毎日ゼニと闘って生きている。ゼニは人間にとって便利な道具である。ゼニがあれば、人間はなんでもできる。自分のどんな欲望でも叶える事が出来る。僕は人間というのは、はなはだ胡散臭い生き物であると思っている。人間なんて巨大なゼニの力があれば、何をやりだすかわかったものではない。
しかし、ゼニがなければ人間は悲惨である。人生は暗黒で、希望が持てず、自分で自分自身を卑下し侮蔑するようになる。好むと好まざるとに関わらず、人間はカネと関係を持たずに生きていくことは不可能である。この世の中のことは、全て経済が土台になっている。「愛」だって、実は経済を抜きにしては考えられない。やはり経済的な基礎がしっかりしていなければやっていけない。愛にだってお金は必要なのだ……。僕が『ナニワ金融道』を描く気になったのは、大きな理由が二つある。
ひとつは、ドストエフスキーの小説『罪と罰』への感動。もうひとつは、マルクスの『資本論』との出逢いである。マルクスが執念をかけて書き上げた『資本論』には、人間社会の歴史と真実とが、的確な筆で描き尽くされている。結論だけを言うと、つまり、現代はゼニの世の中だということや。僕はマルクスからそのことを学んだ。僕達現代人は、ゼニを基盤とする巨大で不可解なシステムに縛りつけられてしまっている。
僕達の知らない間に、世の中の裏側はどんどん複雑怪奇に発達し、僕達の首を締めようとしている。コンピューターの発達は、自然の流れであり、それ自体は、世の中が便利になるのだから、いいことではある。僕が許せないのは、もっとどんどんオープンにしていかなければならない問題だと思う。暴かれなければならない問題は、まだまだ一杯ある……。
人間は狼にもなれれば、鬼にもなれる摩訶不思議で胡散臭い生き物である。そんな人間が作り上げたこの資本主義の社会も、じつに胡散臭い。そこのところを、しっかりと見極める目を持って、生きて行こうやないか。
-『ゼニの人間学』青木雄二著(KKロングセラーズ¥1165税別)より抜粋 -
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